2018年11月08日

中国経済「あっけない幕切れ」

雨のち晴れの記 2018-11-07 12:49:42

1990年代から30年、中国は壮大なばぶる経済を作り上げてきました。世界史上かつてなかったような投資経済だったと思います。これだけのカネを生み出し、国内に流通させた事例はかつてなかったのではないでしょうか。私はこのような結果が招く近い将来を歴史に見つけるとしたら、ローマ帝国の終焉と重ねて見るしかないように思えるのです。

中国で金融業者が相次ぎ倒産。

泣き寝入りしかできぬ市民の阿鼻叫喚


MM2ニュース 国際2018.11.07 55 by 黄文雄
【中国】ハイリスク金融の破綻続々の中国、ついに景気悪化報道も規制
● 中国でネット金融P2P業者が相次ぎ倒産 7月にすでに131社
独裁色を強めている習近平体制のほころびが、経済面で露呈してきたようです。中国で大流行している「P2P(ピア・ツー・ピア)金融」プラットフォームの倒産や閉鎖が相次いでいます。
・・・・・P2P金融は、個人投資家から資金を集め、小規模な企業や個人の借り手に融資して高いリターンを約束するもので、中国では2011年、ほぼ規制のない状態で始まって盛んになった。ピークとなった2015年には、こうしたビジネスが約3,500社を数えた。
だが、中国政府が国内の肥大化したノンバンク融資セクターを含む債務バブルの抑制と経済のリスク低減を目指すキャンペーンを開始した後、投資家が資金を引き揚げ始めたことにより、ほころびが目立つようになった。
P2P金融という分野を開拓したのはレンディングクラブ(LC.N)などの米国企業だが、大規模な拡大がみられたのは中国である。資金調達に悩む中小企業を対象とした政府の金融イノベーション推進に企業がただ乗りした格好だ。
業界の拡大があまりにも急だったため、規制当局も追いつけなかった。P2P金融サイトの多くは、商業銀行にとってはリスクが高すぎるとみなされかねない顧客に融資している。融資が焦げ付きそうな場合に資金を即座に引き揚げたいという投資家が多すぎると、流動性危機につながる場合がある。
また、露骨な詐欺の例もみられる。最も有名なのはe租宝で、90万人以上の投資家を巻き込む76億ドル(約8,400億円)規模の、いわゆる「ネズミ講」詐欺である。
中信証券による7月の調査報告では、中国国内の株式市場に上場している企業100社超がP2P金融ビジネスに関与しており、そのうち32社はP2P金融企業の株式を30%以上保有している。
● 焦点:中国「金融難民」の怒り爆発、P2P業者の破綻急増
・・・香港紙・香港経済日報によると、7月2日から16日までの14日だけで、国内131社のP2P業者が突然閉鎖・倒産した。一部のP2Pプラットフォームの経営者は貸し手の資金を持ち逃げ、行方をくらましている。投資家に約1,000億元(約1兆6,300億円)の被害をもたらした。資金回収の見込みがほぼないとみられる。
P2P業者の大半は北京、上海、深センなど大都市に集中している。
また同紙は、5月以降に債務不履行(デフォルト)や倒産となった業者のうち、国家資本のP2P金融会社も多数あったと指摘した。・・・・
● 中国でネット金融P2P業者が相次ぎ倒産 7月にすでに131社
・・・・中国政府は、少しでも秩序が乱されることで、政府への不満が表面化して集団抗議に発展することを最も恐れています。たとえ資金を持ち逃げされた被害者たちが、政府への陳情のために集会を開こうとしていても、その機会は絶対に与えてはいけないのです。当然ながら、中国国内のマスコミもこのことは知ってて知らぬフリです。 ・・・・・・抗議に参加しようとした人々の多くは、指紋と血液サンプルの採取を強制され、北京への旅行を禁止された。130万元(約2,100万円)の損失を経験した上海のP2P投資家によれば、抗議を前に北京行きの列車から排除された人さえいたという。・・・
● 焦点:中国「金融難民」の怒り爆発、P2P業者の破綻急増
・・・・・利に聡い中国人は、儲かると聞けば怪しい投資にもすぐに手を出しがちです。これまでもシャドーバンキングが貸し出したリスクの高い債権から組成された理財商品を中国人が購入し、その資金が中国経済を回してきました。もしもこの仕組が崩壊すれば、300兆円ともいわれる不良債権が発生すると言われています。
数字の粉飾と、作られた不動産バブルによってこれをなんとか維持してきましたが、ここに米中貿易戦争という、自国だけではどうにもならない事態が発生しました。もはや偽りの経済繁栄を継続することは不可能となりつつあります。
そのため、中国では経済情勢について悲観的に報道するメディアへの取締を強化するようになりました。つまり、中国では景気悪化予測を報じることが禁じられるようになったのです。
● 中国、メディアの締め付けを強化 経済悲観論が原因か
・・・・・この経済戦争が表面化してからの中国経済は大混乱で、株が大暴落しています。逆にアメリカは好景気です。どちらに分があるかは明白です。
また、米中貿易戦争については、トランプ大統領一人で決められることではありません。アメリカ議会が対中姿勢の厳格化に賛成しており、アメリカとしての覚悟を物語るものです。
これは実に中国の弱みに付け込んだ戦略です。軍事はカネになります。中国の対外戦略はカネが最優先されることから、アメリカはカネで中国をゆさぶっているのです。
米中貿易戦争が長期戦になれば、得するのは日本や台湾、または欧米の企業などです。中国政府は、果たしてチャイナマネーがアメリカに流出するのを阻止できるでしょうか。

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環境激変、10万社の中で生き残れるのは「適者」のみ−中国不動産業界
Bloomberg News
2018年11月1日 15:40 JST
・政府は今、膨れ上がっている企業債務の抑制に躍起
・住宅購入予定者から事前に資金を集める制度解体の動きも
中国海南省の省都、海口の沖合約5キロに浮かぶ「如意島」。5年前に建設が始まったこの人工島は富裕層向けのユートピアとなるはずだったが、まだ砂地ばかりだ。
  資金が尽き、債務が膨れ上がった北京の不動産開発会社、中弘はこの130億元(約2100億円)規模のプロジェクトを競合会社に売却する予定だ。あるいは少なくとも売却を試みている。 
  中国ではここ数年、ほぼ無制限で安価に資金を借り入れることのできる環境が続いた。飽くなき住宅需要と政府による業界に優しい政策に乗ろうと10万を超える不動産開発会社が先を競っていた。だがそうした環境が一変してしまったことを象徴しているのが、この如意島だ。
  政府は今、膨れ上がっている企業債務の抑制に躍起で、不動産業界が身をもって感じているのが大変革の初期段階に投げ出されているということだ。
  さらに悪いことに、住宅建設のずっと前に不動産開発会社が購入予定者から資金を集める制度を解体しようしている地方当局もある。そうなれば業界にとって重要な資金源が断たれてしまう。
  招商証券の不動産アナリスト、チャオ・コ氏は「事前販売制度が廃止となれば、整理統合の波が加速するだろう。適者しか生き残れなくなる」と述べた。
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この記事をもととに、勝又寿良の「経済時評」2018-11-07 で
<中国、「終焉」酷寒期入り不動産業10万社で「生き残れるは?」>と勝又氏が取り上げて
・・・2008年のリーマンショック後、我が世の春を謳ってきた不動産業界が、酷寒期入りするところまで追い込まれている。政府のGDP押上げ政策と二人三脚で、この10年間は挫折することなく発展を遂げてきた。これを支えてきたのは、過剰債務である。その頼みの綱が、切れようとしているのだ。・・・・
・・・・不動産バブルとともに発展してきた中国経済である。それも、ついに行き着くと所まで来てしまった。膨大な債務を抱えて自転車操業を続けているが、それも限界に達した。習近平氏は、主席に就任して以来、一貫して「バブルと共に」歩んできた。大胆というか、怖いもの知らずというか、経済学に疎いことを幸いにして、自らの業績(高い経済成長維持)にしてきたのだ。本来、自慢の種にすべきことでなく、早く「退治すべき」対象であった。現実は、退治するどころか煽ってきた。それが、限界点に達したのだ。あっけない幕切れである。・・・

と述べている。

世界史上、まれに見る「バブル経済」の偉大な実験が終わろうとしているのだ。そして日本は恣意的にバブルの終焉を図ったが、中国はバブルをあおり続けてきた。

共産党と人民大衆との暗黙の支持関係が崩れていく過程に入る。

前回の私のブログで、安能氏の中国論に取り上げられているように、大衆は皇帝権力に対して「無関心」であり、税金と交換に「シナ流自由」を獲得する取引をする。

大衆がこのような事態から、最大の関心事である『営利』の機会が失われることは、共産党を無言で支持示してきたことから、天命による政権交代、「天朝の交代」を望むようになるかもしれない。



勝又氏によれば、バブル経済の「あっけない幕切れ」がこの2018年の末から始まり、この混乱がどのように推移するかは見当がつかない。

実際は2015年にバブルは崩壊していたのだが、その後延命させてきたが、もはや力尽きて・・・、と言う環境になってきたようだ。

問題は、ここまで利便的な暮らしを作り上げてきたが、現状のもっとも高度化(中国において)されたシステムをどのように維持していけるのか。一度生活水準を上げると、もとに戻るのは難しい。そうなると維持できるグループと維持できないグループが形成されていくだろう。

アメリカでも下層階級が増えているようだが、ロスの下町の映像を見ると危険で近寄れそうもない。トランプはそのような階層に呼びかけているのだ。

中国ではそれらの階層をどの様に救済していくのか。社会福祉制度も十分ではなく、高齢化も日本以上に深刻さを増すだろう。言葉だけは威勢が良くても、実態としての活力は失われていくだろう。



>中国政府は、果たしてチャイナマネーがアメリカに流出するのを阻止できるでしょうか。

黄氏が、最後に指摘するチャイナマネーが、国内にまるか、それともアメリカに流れるか、という指摘。

これは、アメリカと中国と言う大きな二つの集金箱があって、どっちにカネが集まるかと言う問題で、カネがなくなれば負けを意味する。今まで外貨準備金として4兆jのドルを貯め込んでるぞ、言って粋がっていたが、3兆jを切る事態になりつつある。

アメリカは金利を上げることで、世界のドルをかき集める。

中国の金持ちは、カネをもって競い合ってアメリカに逃げ出したいのだ。要するにもはや中国では、カネが逃げることはあっても、集める魅力は無くなっているのだ。そこへのこのこ日本の経済界が、まだ美味しものがあるのではと甘い誘いに惹かれている。アホかと言いたい。

「見せ金」だけならいいけど、変に投資などするんじゃないと言いたい。

要は、お金の集金箱の大きい方が勝ちなので、負ける方に着くのは身を滅ぼすだけだ。自重してほしいと思うのだが。



中国経済の影響は其れなりの影響を与えるほどに規模が大きくなってはいるけれど、たぶん中国が膨らませた世界経済規模が、中国の分だけ萎んで、2015年前とかの規模に戻るとか、またEUやアジア、アフリカ、さらにインドなどの成長が、中国の萎んだ分をフォローして、相対的には現在の規模を若干の浮き沈みはあっても維持していくだろうと思う。

日本がバブルの崩壊の時に、結果として事態はバブルの始まったた時点に戻ったので、バブル期のカネは泡と消えたわけです。問題はそれで終われば、バブル発生期の事態を維持できるのですが、さらに悪化して、その土台をも蝕んだ場合です。

どう見てもゴーストタウンや採算度外視の高速鉄道網や、飛行場や地下鉄など、さらに農地、河川などの汚染によって以前に戻れない事態となれば、儲けの分が消えたと言うだけでは済まない。

自然環境の破壊は、その回復に想像以上の年数を必要とするだろう。特に砂漠化の問題もある。それに巨大インフラの維持保守費用の工面が必要だ。航空母艦など作っている場合ではないんだけど。無駄なカネばかり使っている。

アメリカで進む貧困化、中国で大量に起こるであろう失業者や貧困層の問題。それらへの備えはできていない。

EUの移民問題も貧困問題の変形だ。日本でも貧困化は進んでいる。(これについてはまた別に書きます。)



今、世界はグローバリズムと言う一つの思想のもたらした悪い結果に直面して、新しい理念を見つけられないでいる。

でも再度『国民国家』と国境のある経済・政治・社会を考えるべきだろう。

中国で言えば、大陸にはインドと同じようにいくつもの言語があって、話し言葉は東西南北それぞれ違うのだ。とても多様な民族が集まってるのだ。そこにもう一度戻るべきだろう。

それと共産主義と言う理念は、捨て去られるべきものだろう。

間違いなく、時代の転換期がきましたね。

1990年から30年、2020年で一世代の時期です。その30年で人間はどれほど進歩したのか、停滞しているのか、振り返る時期なんでしょうね。ソビエトが崩壊して30年、天安門事件から30年です。中国はあきらかに歴史を後退しているように見えますね。
posted by beetle at 08:48| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする