2018年05月17日

北朝鮮の「甘い幻想」打ち砕いた、トランプ氏の「イラン核合意」離脱表明

zakzak 2018.5.16 

 ドナルド・トランプ米大統領が「イラン核合意」離脱を表明したことを、日本のマスコミは悪いニュースのように伝えている。

 ヨーロッパは、イランという大国が、パーレビ国王の無分別な世俗化の反動で、「イスラム教条主義国家」になって困り果てていた。長い交渉を経て、ようやく正常化できる道筋をつけたのに、その道をトランプ氏に壊されることは災難である。

 しかし、北朝鮮情勢を抱えるアジアのためには、大歓迎である。北朝鮮の核廃棄は、厳しく後戻りできない「リビア方式」を参考に徹底しない限り日本は安心できない。対して、北朝鮮は、イランのような緩い方式を狙って交渉するだろう。

 トランプ氏は「イランとの合意は、まったく信じられないくらい緩くて史上最悪だ」と公言してきた。イラン核合意を廃棄して、過去よりも強い制裁をかけるということは、北朝鮮に「甘い幻想」を抱かせないために、実に効果的だと思う。

 北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長は、甘い期待を打ち砕かれ、「わが国は、全面的な核廃棄しか生き残る道はない」と思い知らされたのである。

 ヨーロッパ発のニュースが悪く言っているから、日本にとっても良くないとは限らないのである。

 「イランに厳しくすると、二正面作戦はできないから、北朝鮮にとっては朗報だ」という人もいる。


 しかし、「悪の枢軸」の2つの国に対しては、どちらに対しても厳しくしてこそ万全を期すことになる。

 北朝鮮とイランは、相互依存関係にある。核・ミサイルなどの技術は相互に行き来すると思った方がいい。核とミサイルの両方について。どちらかに甘くしておくと、危なくて仕方ない。

 特に、日本としては、北朝鮮が現在までの「核開発の成果」を温存して、将来、再びその強化に向かう可能性を封じてもらわねば困る。

 もちろん、長い目で見て「米国は、大統領が交代するたびに方針が変わる」という評価を受けることのマイナスはある。ただし、それはトランプ氏ばかりが悪いともいえない。

 バラク・オバマ前大統領は、過度にリベラルだった。オバマケア(医療保険制度改革)や、エネルギー政策、外交政策など、政権が交代したら覆されそうなことを、大統領権限を駆使して無理矢理やった。そのときから、こうした反動は予想されたものだ。

 ■八幡和郎(やわた・かずお) 1951年、滋賀県生まれ。東大法学部卒業後、通産省入省。フランス国立行政学院(ENA)留学。大臣官房情報管理課長、国土庁長官官房参事官などを歴任し、退官。作家、評論家として新聞やテレビで活躍。徳島文理大学教授。著書に『韓国と日本がわかる最強の韓国史』(扶桑社新書)、『「立憲民主党」「朝日新聞」という名の偽リベラル』(ワニブックス)など多数。
posted by beetle at 07:56| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする